Interview
郡山で生まれた、動画で仕事を探す求人サービス。若い人が働きたくなる見せ方を、一緒に考えます
Bodymate株式会社
動画で仕事を探す、生まれたばかりの求人サービスに。
郡山市清水台にあるBodymate株式会社は、システムやアプリを開発する会社です。砂糖を使わないドライフルーツのブランド「カジュベース」も育ててきました。代表取締役は竹浦翔さんです。
この秋、竹浦さんは縦型のショート動画で仕事を探せる求人サービス「シゴトミル」を始めました。仕組みはすでに裏側までできあがり、郡山の会社への営業もこれから本格的に始まります。
学生に渡されるのは、このサービスを立ち上げる仕事です。
ー3月の発表会では、どんな提案をしてもらえるとうれしいですか。
竹浦「若い人が知りたくなる、働きたくなるような動画の構成を一緒に考えてほしい、というのが一つです。もう一つは、このサービスを広める方法を一緒に考えてもらうことですね」
どちらに取り組むかは、学生の提案に合わせて幅を持たせてよい、というお話でした。
縦型の動画で選ぶ求人

シゴトミルを開くと、スマートフォンの画面いっぱいに職場の動画が流れます。カフェのホールや配送のドライバー、食品工場の製造スタッフといった仕事が一本ずつ縦型の動画で並び、気になった求人にはその場で応募できます。
動画は、仕事の中身、一緒に働く人と職場、働き方の順に見ていく作りです。地域や条件で絞り込めば、自分に関係のある仕事だけが続けて流れてきます。
竹浦「関係のある仕事が縦型の動画でどんどん出てくれば、こんな仕事もあるんだ、と思ってもらえる。いますぐ仕事を変えたいわけではない人にも見てもらえるメディアになるんじゃないかと思っているんです」
求人を出す会社にとっての使い方は簡単で、撮影と編集と求人の作成はBodymateが引き受けます。掲載にはお金がかからず、応募が来た分だけ費用が発生する仕組みです。最初に狙うのは、郡山市内のパートやアルバイトの求人です。
リングと築地で考えた価値の届け方
竹浦さんは1985年に青森県弘前市で生まれ、岩手の大学に進みました。大学でプロボクサーになる人を間近に見て、人生にはもっといろんな選択肢があると知り、自分もリングに上がるようになります。
卒業後は東京の旅行会社で法人営業をしながら、試合を続けました。練習に打ち込んだ時期には、自分でも納得のいく試合ができるようになっていきます。
竹浦「すごくいい試合ができるようになったのに、それが人に届かない。これは違うな、と思ったんです」
同じころに見たのが、十種競技で日本一になった人が自分の歩みを語る動画でした。日本一になっても、それだけで稼げるわけではありません。いいパフォーマンスを、どうやって価値に変えるのか。竹浦さんはそこから、事業のほうへ向かいます。
引退後に選んだのはITで、独学でプログラミングを覚えながら、働く場所には築地の水産の会社を選びました。
竹浦「市場がいちばん大きくて、ITがまだ入っていないところはどこだろう、と調べたら築地だったんです」
その後は東京のIT企業でエンジニアとして働き、2018年にBodymateを立ち上げました。郡山に移り住んだのは2020年で、ご家族の都合でした。
ーこの事業に対してのモチベーションは、どこから来るんですか。
竹浦「単純に、でかいことがしたいんでしょうね。数字が伸びていれば、最初は興味がなかったことでも、意外と面白くなってくるんですよ」
いまも竹浦さんは自分でTikTokのライブ配信を続けていて、カジュベースのTikTokでの販売も、新しい事業と並行して進めています。
写真だけの求人票から動画の求人へ
いいものも、伝わらなければ人は来てくれない。リングの上で考えたことを、竹浦さんはいま求人の世界に重ねています。
ー縦型の動画にしたのは、どうしてですか。
竹浦「求人サイトを見ると、写真が一つか二つ載っているだけのものが多いんです。工場の仕事は特にそうで、中がどうなっているのかが分からない」
中で働く人や仕事の中身が動画で伝われば、人はもっと動くはずだ、と竹浦さんは考えています。調べてみると、縦型の動画を軸にした求人サービスは見当たりませんでした。
働く場所をどうつくるかも、竹浦さんにとって以前から身近なテーマでした。郡山では、カジュベースの商品を市内の就労支援の事業所と一緒に作っています。デーツにナッツを挟む作業は手作業で、季節で途切れない仕事が欲しいという事業所の声にも合っていました。

自分の会社で人を募集する場面でも、仕事の良さをどう伝えるかを考えてきました。Bodymateはいま、TikTokのライブ配信を手伝うアルバイトを募集しています。
竹浦「本当はいい仕事なんです。でも、仕事の中身も、どういう場所なのかも、求人票だけではなかなか伝えきれない。だから動画で伝えてみよう、と」
きっかけは、県内のある発表会で、SNSを使って会社の採用を手伝っている会社の方と話したことでした。その場で採用について一つの仮説が立ち、それなら自分たちで解決しようと、作りながら走り出したといいます。シゴトミルは、竹浦さん自身が必要としていた仕組みでもあります。
学生と考える見せ方と広げ方
仕組みをつくること自体は、いまずいぶん簡単になりました。AIの進歩を見て、竹浦さんはTikTok Shopのまわりで考えていた別の構想を止め、空いた力をこの事業に回しています。
竹浦「システムを作るだけなら、どこでもすぐに真似できる時代になりました。だから大事になるのは、求人を集める力や、広げる力のほうなんです」
学生に考えてほしいのは、まさにそこです。若い人がつい最後まで見てしまう動画は、どんな順番で組めばよいのか。郡山の会社にこのサービスを知ってもらうには、どんな入り口があるのか。
あなたが提案することになるのは、これから形になっていく求人の見せ方です。
広げ方の案は、竹浦さんの中にもいくつかあります。一つは、SNSの運用を代行している会社と組み、すでに作っている動画をそのまま求人に使ってもらう形です。もう一つは、SNSで発信している人に紹介を手伝ってもらう形です。遠くの会社が増えてきたら撮り方の型を渡し、会社が撮った素材をBodymateが編集する形も考えています。
ー4月以降も、学生と続けて関わっていく形はありそうですか。
竹浦「うまくいくなら、業務委託で求人の開拓をお願いしたいです」
プログラムは3月の発表で一区切りですが、その先の関わり方は提案次第で、新しい事業の立ち上げに最初の段階から加わる仕事になります。
郡山から始める求人サービス

ー対象にする地域や、求職者の層は決まっていますか。
竹浦「最初は郡山市です。求職者はパートとアルバイトをメインに考えています」
郡山で求人を増やしてから、東京へ広げていく道筋を竹浦さんは描いています。12月に学生が郡山を訪れる日には、午後から夜まで時間を取ってくれることになりました。カジュベースのお店を見たり、一緒に話し合ったりする時間にする予定です。

竹浦「市場は大きいので、立ち上げを頑張ってやっていこうと思っています」
動画で仕事を探す、生まれたばかりの求人サービスに、_ _ _ _を。
会社概要
会社名
Bodymate株式会社
所在地
福島県郡山市清水台
事業内容
システム・アプリ開発と、砂糖不使用ドライフルーツ「カジュベース」
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