Interview
郡山でAI社員をつくって、9月に売り始めました。広め方は、まだ決まっていません
EvoMate株式会社
9月に売り始めたAI社員の、広め方に。
郡山市本町にあるEvoMate株式会社は、2026年7月27日にできた会社で、株式会社プレイノベーションの100%子会社です。つくっているのは、AI社員と呼ぶ製品です。
社名はEvolution(進化)とMate(仲間)を組み合わせたもので、掲げている言葉は「すべての現場に、進化する仲間を」。代表は、菅家元志さんです。
最初の製品は営業のAI社員で、「EvoMate Sales」という名前です。提供が始まったのは2026年9月1日で、売り始めてまだ間もありません。
学生に渡されるのは、この製品の広め方です。誰に、どう届けるかを考えることになります。
導入の前後で会社が気にする点も、菅家さんたちは整理してきました。選び方、セキュリティ、費用対効果、使いこなし、育て方、そして仕事への定着です。菅家さんが大事にしているのは、AIを使わせることを目的にしないことで、その考え方をどう伝えるかは、これから決めていきます。
自社と東北の企業で重ねた実証
広め方を考えるうえでの材料は、すでに揃っています。会社はまず自社の営業に半年かけてAIを組み込み、効果を確かめました。
ー自社の営業で、何を知りたかったんですか。
菅家「営業は動いているし、商談も進んでいる。経営者として知りたかったのは、いまどれくらいの見込みがあるのか、それが良い状態なのかどうかでした」
半年で会議と準備の時間は大きく減り、商談数と受注数は大きく伸びました。自社での検証結果です。
菅家「AIを使ったから成果が出た、とは考えていません。AI活用を営業プロセスの一部として設計して、日々の流れの中に組み込んだから変化が生まれた」
2026年5月から7月にかけては、東北の企業と3か月の実証をしています。実際の商談でAIを使ってもらい、その様子を記録に残しています。
ルート営業が中心の、ある製造業では、経営者自身が毎日商談を録音して検証し、商談の中身が見えるようになりました。
3か月の実証では、想定していなかった使い方も生まれています。ある経済団体では、会員企業を訪問したときの録音から、AIが職員の強みを評価するという使い方が出てきました。
菅家「上司から強みを指摘されると、気を遣ってくれているのではないかと身構えてしまう。でもAIからの評価には裏表がないので、素直に受け取れる。それが職員の自信につながっている、という声が現場から上がってきました」
製品の設計は、この実証を踏まえて2つ決まりました。一つは、始めるときに何も用意しなくていいことで、連携の設定も、整えたデータも、マニュアルも要りません。もう一つは、人が指示を出さなくても動くことです。
料金の決め方も、一般的な営業支援のシステムとは違います。そちらは使う人数分のアカウント料金で決まりますが、この製品は、AI社員に任せる仕事の量に応じたプランにしました。
あなたが持ち込む案は、早ければ来週から試せます。判断する相手が同じ建物にいて、決めたことをその日から動かせる規模の会社です。
親会社が続けてきた伴走支援
親会社のプレイノベーションは、創業から多くの会社に伴走してきました。教育、医療、福祉、交通、建設と、業種は問いません。
ーどうやって支援してきたんですか。
菅家「答えが決まっている仕事ではありません。その会社にとって何が問題なのかを、一緒に探すところから始まります。私たちが入った現場では、定着してきました」
創業10周年の2023年、会社はこの営みを「探究」と名付けて理念に置きました。答えのない問題に一緒に向き合うことを、事業の言葉にしたものです。
もっと多くの会社に伴走できるように、という考えから生まれたのがAI社員です。
郡山でつくるAI社員
菅家さんは1987年、郡山市に生まれました。震災のあとに復興支援の現場に入り、そこで見たものが、いまの会社の始まりになっています。
菅家「前例も答えもない問題に、必死で向き合っている人たちがいました。福島を盛り上げようとしているその人たちの姿に胸を打たれて、この人たちと一緒に地域をやりたいと思いました」
郡山でAIをつくる理由は、はっきりしています。高度なAIを開発する会社の多くは、都市部に集まっています。一方で、地域の会社の業務や組織、商習慣を深く知っているのは、その現場に関わり続けてきた会社です。
菅家「EvoMate株式会社は、その両方に足を置いて進めます」
AI社員で回す、自社の管理部門
ー自社の一事業として続ける選択もあったと思います。
菅家「AI社員の開発と提供を専門に担う会社にしたかったからです。ブランドと事業運営を親会社から独立させて、製品開発と顧客支援に集中する体制をつくる。それが設立の理由です」
開発と提供の実務は親会社が担い、自社の管理部門はAI社員で回しています。経理、契約、請求。
菅家「AI社員をサービスとして売るからには、自社もAI社員で回すべきだと考えました。そこで分かったことは、そのまま製品の改善と、お客様への導入支援に返していきます」
広め方で学生に開いているのは、たとえばこういうことです。誰に、どの言葉で届けるかを決めること。実証の記録を、読まれる形にすること。導入した会社の90日の記録を書くこと。
もう一つ、いまの20代がAIをどう受け取っているかは、この会社の中にない情報です。AIに詳しくない会社へ届けるとき、受け取る人の感覚にいちばん近いのは学生のほうです。
判断する人は同じ建物にいて、関わり方はこれから一緒に決めていきます。
扱うのは顧客企業の商談の録音で、どこまで見られるかの線引きは、入る前に決めることになります。
菅家「EvoMate Salesは、導入した日がいちばん未熟です。現場の皆さまと一緒に働きながら、その会社の仕事を覚えて育っていきます」
すべての現場に、進化する仲間を
13年で、掲げる言葉は一度書き換わっています。変わっていないものを聞くと、答えは短いものでした。
ー言葉は変わってきましたが、変わっていないものはありますか。
菅家「答えのない問題に、誰かと一緒に向き合い続ける。それだけはずっと変わっていません。私たちはそれを探究と呼んでいます。変わったのは、探究する相手のほうです。子どもから、地域の会社へ、そして組織そのものへ」
菅家「会社は知識を溜めて、強くなり続けることができる。それを福島から示していきます」
製品はできています。広め方は、ここからです。
9月に売り始めたAI社員の、広め方に、_ _ _ _を。
会社概要
会社名
EvoMate株式会社
所在地
福島県郡山市本町
事業内容
AI社員シリーズ「EvoMate」の企画・開発
まず話を聞いてみる →
学生向け説明会(オンライン・全4回)の申し込みはこちら →← 記事一覧へ
